インジケーターをEA(Expert Advisor)に変換することは、トレード戦略を自動化するための一般的な手法の1つです。以下に、インジケーターをEA化する手順について説明します。
- インジケーターの仕組みを理解する まず、インジケーターの仕組みを理解することが重要です。インジケーターは、チャート上の価格データを解析して、トレンドや相場の方向性、価格の変動幅などを示す指標です。インジケーターがどのようなデータを参照し、どのような計算方法を用いているかを理解することで、EAの設計に役立ちます。
- EAの設計 次に、EAの設計を行います。EAは、トレード戦略を自動的に実行するプログラムです。インジケーターを使用してトレードするEAを作成する場合は、インジケーターから得られる信号に基づいて、エントリーやイグジットのロジックを作成する必要があります。
- プログラミング EAを作成するためには、MQL言語を使用します。MQL言語は、MetaTraderプラットフォームで使用されるプログラミング言語で、C言語と似た構文を持っています。EAを作成する際には、MQL言語を理解し、必要なコードを書く必要があります。
- バックテストと最適化 EAを完成させたら、バックテストを行い、トレード戦略の性能を評価します。バックテストでは、過去の価格データを使用して、EAがどのようにトレードするかをシミュレーションします。バックテスト結果を基に、EAのパラメーターを最適化することができます。
- デプロイメント EAを完成させたら、MetaTraderプラットフォームにデプロイして使用することができます。EAをデプロイするには、MetaEditorを使用して、EAをコンパイルしてエクスポートし、MetaTraderプラットフォームにインストールする必要があります。
以上が、インジケーターをEA化する手順です。ただし、インジケーターをEAに変換するだけでは、トレード戦略がうまく機能しない場合があります。
iCustomは、MetaTraderプラットフォームにおけるカスタムインジケーターの呼び出しに使用されるMQL関数です。iCustom関数を使用することで、ユーザーが作成したカスタムインジケーターをEAやスクリプト内で呼び出して利用することができます。
iCustom関数は、以下のような構文を持っています。
double iCustom(string symbol, int timeframe, string name, ...);
この関数には、以下のパラメーターがあります。
symbol
: 取引する通貨ペアのシンボル名。timeframe
: チャートの時間枠。name
: 呼び出すカスタムインジケーターの名前。...
: カスタムインジケーターに渡すパラメーターのリスト。
iCustom関数を使用するには、呼び出すカスタムインジケーターの入力パラメーターを正確に把握する必要があります。通常、カスタムインジケーターは入力パラメーターを持ち、これらのパラメーターは、インジケーターの出力を調整するために使用されます。例えば、移動平均線の期間、標準偏差の値、RSIの期間などが入力パラメーターとして使用されることがあります。
iCustom関数は、指定されたシンボルと時間枠における、呼び出したカスタムインジケーターの出力値を返します。これらの出力値は、EAやスクリプト内で変数に割り当てることができ、トレード決定やその他の目的に使用することができます。
iCustom関数は、多くの場合、カスタムインジケーターをEAやスクリプト内で使用するための一般的な方法です。ただし、iCustom関数を使用する際には、入力パラメーターの正確な把握や、カスタムインジケーターの性能やロジックの理解が必要となるため、慎重に使用する必要があります。また、カスタムインジケーターのパフォーマンスに依存するため、カスタムインジケーターの品質や最適化の重要性も高まります。
以下は、iCustom関数を使用してカスタムインジケーターの出力値を変数に割り当てる例です。
// カスタムインジケーターの名前
string customIndicatorName = "MyCustomIndicator";
// カスタムインジケーターのパラメーターint maPeriod = 20;
double stdDev = 2.0;
// iCustom関数を使用して、カスタムインジケーターの出力値を取得する
double customIndicatorValue = iCustom(_Symbol, PERIOD_H1, customIndicatorName, maPeriod, stdDev);
// カスタムインジケーターの出力値を使用して、トレード決定を行う
if (customIndicatorValue > 0) {
// 買いエントリー
} else if (customIndicatorValue < 0) {
// 売りエントリー
} else {
// 何もしない
}
上記の例では、iCustom関数を使用して、名前が”MyCustomIndicator”のカスタムインジケーターの出力値を取得し、変数customIndicatorValue
に割り当てています。その後、この出力値を使用して、トレード決定を行っています。
iCustom関数のパラメーターには、カスタムインジケーターに渡す入力パラメーターが含まれます。上記の例では、移動平均線の期間を20、標準偏差の値を2.0としています。これらの値は、カスタムインジケーター内で使用される入力パラメーターと一致している必要があります。
iCustom関数を使用する際には、カスタムインジケーターの出力値の意味を理解し、適切に使用することが重要です。また、カスタムインジケーターの最適化や性能の向上にも注力する必要があります。